ワイシャツスタンダード

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そんなのアリ!? ネクタイピンの正しい付け方

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普段からスーツは着ますか?ネクタイは締めますか?
その時にネクタイピンは付けますか?
クールビズが定着したこともあり、ノーネクタイのビジネスマンも見慣れてきました。
職種や職場の雰囲気によっては一年中ネクタイを締めない、という方もいるかもしれません。
弊社も普段からスーツスタイルで出勤しているスタッフは少ないですが、取引先との商談がある時はきちんとスーツにネクタイを締めて出勤してくるスタッフが多い印象です。
この時に意外と悩むのがネクタイピンを付ける位置。
意外と正しい位置を知らない人が多いんです。知ってる人も知らない人も改めてネクタイピンの「正しい付け方」について学んでいきましょう!
 
 
 

1: ただ「付ければいい」わけではないネクタイピン

いきなりですが、問題です!
この写真のネクタイピンの付け方は、アリ?ナシ?

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こんなネクタイピンの付け方をしている人が社内にいたら「ネクタイピンずれてますよ」って言いたくなりますね。
ちなみに答えとしては、
ビジネスシーンにはふさわしくないため×
ネクタイピンもきちんと付けられない人なのか?と相手にマイナスな印象を与えてしまうかもしれません。
ですが、意外にもトレンドを押さえていておしゃれとしては〇
昨今「ネクタイピンのななめ付け」が世界的に流行しており、注目のおしゃれテクニックとして話題になっています。メンズファッション誌や海外スナップでも見かけるようになってきました。
ビジネスシーンでの着こなしは基本に忠実に従いましょう。トレンドをむやみやたらに取り入れることは危険です。ちょっとしたことで相手に対する印象が悪くなってしまうかもしれないためです。
ビジネスシーンには適していませんが、ドレスコードがゆるいカジュアルなシーンでネクタイピンを付ける場合はかっちりし過ぎないようにアレンジを効かせても構いません。
しかし、正しい付け方をマスターする前からアレンジをすると、いざというときに恥をかくことにもなりかねません。まずはしっかりと基本を押さえておきましょう。

 

2: 基本を押さえる!正しいネクタイピンの付け方

前項でもあったように、ネクタイピンの正しい付け方は服装によっても変わってきます。
ここでは服装に合わせた正しいネクタイピンの付け方をご紹介します。
2-1.ジャケット着用時のネクタイピンの付け方

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ジャケット着用時のネクタイピンの付け方の基本は「シャツの第3~第4ボタンの間に付ける」ことです。
ネクタイピンの向きは横一文字。ネクタイの右側からネクタイの大剣・小剣・シャツを合わせて挟みます。
シャツの第3~第4ボタンの間で上過ぎず、下過ぎない位置がスタンダードです。
厳密にそこに付けないとダメという事は無いのですが、微妙なバランスまでわからない場合は”やや高い位置に付ける”と、バランスよく見えます。

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・上の写真が下過ぎる場合(シャツの第4~第5ボタンの間)
・下の写真が上過ぎる場合(シャツの第2~第3ボタンの間)
下過ぎて全く見えないよりは見えた方が良いですが、見せ過ぎも主張が強過ぎて軽い印象になってしまうのでビジネスシーンでは注意が必要です。
ネクタイピンにジャケットがちょっとかぶるくらいを目安にしましょう。
 
2-2.ジャケットを脱いだ時は?ネクタイピンを付けない方がいい時って?
ジャケットを脱いだ時はネクタイピンの位置をシャツの第4~第5ボタンの間に付け直しましょう。ネクタイピンを付けていないと食事や手を洗う時、前かがみで作業しなくてはいけない時などにネクタイがぶらぶらして邪魔だと感じたり、うっかり汚してしまった経験はありませんか?ネクタイピンを使って剣先部分を押さえることで、邪魔になったり、汚してしまうのを防ぐことができます。
 

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ジャケットの下にベストやカーディガンなどを着用している場合、基本的にネクタイピンは付けません。ベストやカーディガンがネクタイの剣先を押さえる役目もしてくれるからです。もし、ジャケットだけでなくベストやカーディガンも脱ぐシチュエーションがありそうな場合は、ベストの下の見えない部分にネクタイピンを挟んでおくか、ジャケットの内ポケットなどに入れておくと安心です。
パーティーなどの華やかなフォーマルシーンではネクタイピンの全体が見えるようにシャツの第3ボタンのすぐ下ぐらいに付けるのがおしゃれです。アクセサリーとしてVゾーンに華やかさを加えることができます。
 
 シーンに合わせてネクタイピンを正しくおしゃれに使いこなせれば、ビジネスマンとしてもワンランクアップ!
ネクタイのデザインだけでなく、小物もおしゃれに使いこなせるビジネスマンを目指しましょう。
 

長く使うために!ネクタイピン素材別お手入れ方法を学ぶ

自分で購入したネクタイピン、プレゼントでもらったネクタイピン、ちゃんとお手入れはしていますか?
お手入れ方法を知っていれば、ネクタイピンは綺麗な状態で長く使い続けることが可能です。
素材別に気を付けるべきこと、正しいお手入れ方法を学んでいきましょう。
 
 

1:知っていれば安心。ネクタイピン素材別の特徴

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ネクタイピンは一見同じようなシルバーカラーのものでも、真鍮(しんちゅう)素材の土台にシルバーのメッキ加工を施したもの、素材として高級なシルバー(銀)を使ったもの等があります。

間違ったお手入れ方法をしてしまっては、そのネクタイピンは二度と使い物にならないかもしれません。その素材の特徴を知ることで正しいお手入れを施すことができます。
 
◆真鍮(メッキ加工)
真鍮自体は硬貨の5円玉と同じ素材です。価格も安く加工がしやすいため、アクセサリー類の素材としてもよく使用されています。真新しい真鍮素材はピカピカとした黄金色をしています。しかし、使い続けると経年変化によって落ち着いた黄土色に変化していきます。
安価なネクタイピンは真鍮製のものが多いですが、真鍮素材そのままで販売されているネクタイピンはあまり見かけません。真鍮の上から金メッキや銀メッキの加工を施したものが多く、メッキ加工をすることで見た目がゴールドやシルバーのネクタイピンになります。
メッキ加工を施して物は錆びにくくお手入れも簡単に済みますが、メッキのコーティングは衝撃や傷に弱いという弱点もあります。
 
◆シルバー
結婚指輪などにもよく使われているシルバー。アクセサリーに使われているシルバーはいわゆる「SV925」と呼ばれるものが多く、これは92.5%がシルバー(純銀)でできているとされる物です。
銀100%の方がいいものに決まっている!となりそうですが、銀100%は柔らかくアクセサリー等を作るには不向きなため、シルバーアクセサリーには「SV925」がよく使われています。
シルバーはすぐに黒くなると思われますが、これは「酸化(サビ)」ではなく、「硫化」と呼ばれる現象によって起こります。硫化とは空気中の硫黄成分や汗、硫黄が含まれる温泉などに反応してシルバーが黒く変色してしまうことです。
 
◆ゴールド
ゴールドは「14金」や「18金」、「24金」などの金の含有量で呼び方が変わります。「24金」が純度100%の純金になりますが、シルバーと同じように純度の高いものは変形しやすいため、アクセサリー等には「18金」がよく使われます。
ゴールドは年月が経っても変色も起きにくく、また錆びにくいためお手入れに気を付ければ長く使い続けることが可能です。

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2:寿命を縮める?ネクタイピン使用後に気を付けるべきこと

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ワイシャツやネクタイ、スーツはクリーニングに出すのに、ネクタイピンやカフスは使ったらそのままケースに戻すだけ、なんてことはありませんか?
それではネクタイピンの寿命を縮める原因になってしまいます。長く使い続けるためにも、使った後は片付ける前にひと手間かけてあげましょう。
 
◆真鍮(メッキ加工)
メッキ加工がされている物は錆びにくく変色も起きにくいですが、使用後は乾いた柔らかい布で乾拭きをしましょう。
汚れがひどいと感じる場合は、中性洗剤をぬるま湯で薄めたものを布につけて軽くふき取りましょう。そのままにしては変色の原因にもなるので、乾いた布でしっかり水気をふき取りましょう。
メッキ加工は傷や衝撃に弱いため、金属磨き用の布や研磨剤を使うとメッキが剥がれてしまう恐れがあります。
アクセサリーやメガネの洗浄によく使われる超音波洗浄機も傷をつける恐れがあるので使用しないようにしましょう。
 
◆シルバー
シルバーは前項でも書いたように硫化によって変色が起きやすい金属です。使用後は乾いた柔らかい布で汚れをふき取りましょう。汚れが気になる場合は水やぬるま湯で薄めた中性洗剤で汚れを落とし、残った水分は乾いた布でふき取りましょう。
空気に触れる場所に置いておくと空気中の硫黄成分と反応して黒ずんでいってしまうため、保管する時は空気に触れにくくするために蓋付きのケース等に保管するのをおすすめします。きちんとしたケースがない場合でも、チャック付きのビニール袋に入れておくだけでも効果的です。
 
◆ゴールド
真鍮やシルバーと同じように、使用後は乾いた柔らかい布で乾拭きをしましょう。ゴールドは錆びにくいので、使用後にきちんと拭いておけば錆びる心配はほとんどありません。
ゴールドはシルバーに比べても柔らかいため、傷がつきやすい金属です。シルバー用の研磨剤入りの布などを使うと、金属自体に細かな傷がついてしまう恐れがあります。使う道具には注意した上でお手入れを行いましょう。

3:色が変わってしまった!どうすればいい?

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日頃のお手入れをきちんとしておけば、変色やサビは防ぐことができます。しかし、うっかりお手入れを忘れてネクタイピンの色が変わってしまった!という場合も素材によっては元の輝きを取り戻すことができます。
素材別に対策方法をご紹介します。
 
◆真鍮(メッキ加工)
メッキ加工されているもので色が変わってしまった場合は単純に汚れてしまった場合か、メッキが剥がれてしまったのかのどちらかだと考えられます。
汚れの場合はぬるま湯と中性洗剤で汚れをふき取り、メッキ加工品用の専用クロスで磨けば元の輝きを取り戻すことができます。
しかし、メッキが剥がれてしまってメッキの下の真鍮の地の色が見えてしまっている場合は自力での回復は難しくなります。メッキの再加工をしてくれるアクセサリーやジュエリーの修理専門店に依頼をするのが確実な方法です。ただし、メッキの再加工によって元々の色合いと変わってしまうという恐れもあるので注意が必要です。
 
◆シルバー
シルバーは硫化によって変色が起きても軽度なものなら専門店でクリーニングする必要はありません。
専用の研磨剤入りクロス(シルバークロス)を使って磨けば硫化によって黒ずんでしまった部分はすぐに元の輝きを取り戻します。シルバークロスはアクセサリー専門店や東急ハンズ、100円ショップでも販売されているので1枚手元にあるとネクタイピン以外のアクセサリーにも使うことができて便利です。
もしシルバークロスがない場合は、指ひとつまみ分くらいの重曹に少量の水を加えてペースト状にしたもので表面を磨いても綺麗になります。
 
◆ゴールド
錆びてしまった場合はサビを落とそうと研磨剤入りのクロスなどで磨きたくなりますが、ゴールドは傷がつきやすいため研磨剤は使ってはいけません。ぬるま湯と中性洗剤を使って洗ってしまいましょう。洗った後は水分をしっかりとふき取るのを忘れずに行いましょう。
また、少々のサビであれば消しゴムで落とせます。うっかり錆びさせてしまった時は試してみてください。
 
安価なタイピンは「どうせ安物だし」と思ってお手入れも手を抜きがちになりそうですが、たとえ安価な物でもきちんとお手入れをすることで長く使うことが可能です。
変色してしまった、錆びてしまった、となる前に一日の終わりに2~3分お手入れの時間をかけてあげるだけで、ネクタイピンの寿命は変わってきます。最初は面倒かもしれませんが、習慣になれば煩わしさはだんだんと感じなくなるはずです。
素材別に正しいお手入れ方法を理解して、ネクタイピンの寿命を最大限生かしてあげましょう。

冬の洗濯は部屋干しに限る!押さえるポイントはこの2つ!

さむ~いこの時期、あったかい布団から出るのも辛く感じますね。
ちょっと外に出るだけのゴミ捨てや、洗濯物を干しに外に出る時でも寒さが身に染みます。
一年の間で、洗濯物が乾きにくい時期が2回あるのをご存知ですか?
ひとつはもちろん「梅雨」ですが、もうひとつは「冬」です。
梅雨は雨が降って外に洗濯物が干せないのはもちろん、室内がジメジメしていて部屋干しでも洗濯物が乾かない。
冬は外干ししていてもなかなか乾かず、朝干して夕方取り込んでも生乾き……という経験がある方もたくさんいらっしゃるんではないでしょうか。
そんな洗濯物が乾きにくい冬こそ、部屋干しをするべきなんです!
 
 

1:どうして冬は洗濯物が乾きにくいの?

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先に書いたように、冬は洗濯物が乾きにくいです。乾きにくい原因は「日照時間が短く、気温も低いため」なんです。
雪が頻繁に降るような地域では冬の間中、洗濯物を外干しするのは難しいですね。
洗濯物が乾きやすくなる条件は「気温が高く、湿度が低いこと」です。
夏に洗濯物が数時間でカラッと乾いてくれるのはまさにこの条件を満たしているからなんです。
でも冬は乾燥しているから湿度は夏より低いはずでは?と思いますよね。確かに冬場は乾燥しているため、夏よりも湿度は低くなっています。
しかし、これには空気中の飽和水蒸気量が関係してきます。飽和水蒸気量とは、空気中に含まれる水蒸気の量のこと。この飽和水蒸気量は気温が高ければ高いほど量が増え、逆に気温が低いとその量は減ってしまいます。
そのため、気温が低い冬場は洗濯物に含まれる水分を空気が吸い取ってくれないんです。「一日中干していても洗濯物が乾かない……」のはこのためです。
 

2:冬の部屋干しのポイント

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冬場は外干しに向かない理由も分かりました。

だからこそ、冬の洗濯物は部屋干しにしましょう。干し方のポイントさえ押さえれば生乾きのストレスもなくなりますよ。

効率的に洗濯物を乾かすポイントは以下の2点です

①室温を上げる

②湿度を上げすぎないこと

「室温を上げる」これは暖房器具を使っていれば自然と上がるもの。もし家を空けなければいけないのなら、次の「湿度を上げすぎない」ことを重点的に意識しましょう。

冬場は室内の湿度が低く、乾燥によって喉の調子が悪くなったり、風邪のウイルスなども蔓延しやすくなります。しかし、湿度が高すぎると、洗濯物がなかなか乾かずに生乾きの原因にもなってしまいます。

そこで大事なのは「湿度を上げすぎないこと」室内を適度な湿度に保つことで乾燥対策にもなりますし、洗濯物も気持ちよく乾いてくれます。

除湿機などの家電を使う方法もありますが、一番簡単な方法は「新聞紙を広げて敷く」ことです。新聞紙が余計な湿気を吸い取ってくれます。サーキュレーターなどを使えば、自動的に空気を循環させてくれるので、湿気も溜まりにくくしてくれますよ。

もうひとつ注意点ですが、洗濯物を部屋干しする時に、便利だからと言ってカーテンレールにずらーっと洗濯物を干していませんか?

カーテンレールに洗濯物を干すのはNGです。なぜなら窓際は湿気が溜まりやすく、また洗濯頻度の低いカーテンに少なからずついた雑菌が洗濯物につく恐れが……。できることなら空気が循環しやすい部屋の真ん中に物干しを置いて干すのをおすすめします。この時に物干しの下に新聞紙を敷くと効果的です。

 

3.部屋干しのニオイが気になるときは?

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気を付けていても、雨が降っている日などはどうしても湿度が高くなってしまうこともあります。そんな日に洗濯物から生乾きのイヤなニオイがしてくると、余計に気分が滅入ってしまいますよね。
生乾きのイヤなニオイは洗濯洗剤を活用して予防しましょう!
生乾き臭を抑えてくれる「部屋干し用洗剤」が手軽で便利です。
部屋干しの時だけ洗剤を変えるのも億劫だという方は、使っている洗剤に抗菌・防臭効果のある柔軟剤などを併せて使用するのがおすすめです。
色んな香りの種類がある柔軟剤はニオイ対策としても有効です。しかし、匂いのきつい柔軟剤は周りの人を不快にさせたり、迷惑になる恐れもあるので十分気を付けましょう。
 
外に干していてもなかなか乾かない洗濯物、冬は厚手の服が多いし困りますよね。
部屋干しはきちんとポイントを押さえることが大切です。
毎日を快適に過ごすためにも一度部屋干しの方法を見直してみてはいかがですか?

ビジネスシーンではこれを着ろ!ビジネスマンが選ぶべきワイシャツ4選

突然ですが、ワイシャツの襟型が全部で何種類あるかご存知ですか?
正解は……私にもわかりません!
襟型はどこまで細かく分類するかでその種類が変わってくるので、調べても調べてもはっきりした数はわかりませんでした。
オーダーシャツが作れるお店でも、襟型が30種類用意されていたり、50種類用意されていたりと、お店によって様々なようです。
ひとつひとつ襟型について触れていくのは大変なので、今回は「ビジネスマンが選ぶべき襟型」について一緒に学んでいきましょう!
 

1.ワイシャツの襟のつくり

まずは理解していただきやすくするためにも、ワイシャツの襟のつくりについて説明させていただきます。

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  • 襟羽……襟の全体部分
  • 襟羽開き……襟の開き角度
  • 襟羽長さ……襟羽の付け根から先までの長さ
  • 襟先(剣先)……襟の先の部分
  • 襟台……襟の立っている部分の高さ
「襟」とひとことに言っても、これだけの要素から構成されています。
ワイシャツの襟型は襟羽開きの角度や襟羽の長さ、装飾などのさまざまな要素を総合して分類されているのです。
簡単に襟のつくりについて理解していただいたところで、次は4種の襟型について詳しく説明していきます。
 

2.ネクタイあり?ノーネクタイ?ビジネスで代表的な襟型4選

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「襟」はまさにワイシャツにとって「要」となる部分です。どうしてもビジネススタイルではスーツをメインに考えてしまいますし、実際に毎日のコーディネートはまずは着るスーツを決めてから、という方も多いはずです。
しかし、見える面積は少ないですが、ワイシャツの襟は顔に一番近い部分です。襟型の種類によってその人の印象も変わってきます。それを踏まえた上で、ビジネススタイルにおすすめできる襟型4種の特徴をご紹介します。
 

<レギュラーカラー>

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もっとも一般的な襟型である「レギュラーカラー」
「レギュラーカラー」はその名の通り、ワイシャツの襟型の中でもっともスタンダードな襟型です。
襟羽の開きの角度は主に70~90度程度。襟の開きが狭いので堅実で真面目な印象を与えられます。
角度に幅があるのは流行によって、多少の動きがあるためです。
白無地のレギュラーカラーは大事なビジネスシーンや冠婚葬祭などに欠かせないワイシャツです。就職活動の時や新卒の頃はレギュラーカラーのワイシャツばかり着ていたという方も多いのではないでしょうか。
ジャケットやネクタイのデザインを選ぶことがなく合わせられるワイシャツなので、定番として持っておきたいワイシャツです。ネクタイの結び方はノーマルなプレーンノットが好相性です。ネクタイの結び目(ノット)が大きすぎると襟開きに収まらず不格好になってしまうので注意しましょう。
 

<ワイドカラー>

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「ワイドカラー」は襟羽の開きが100~140度の襟型です。
1920~40年代のファッションに多大な影響を与えたといわれる英国のウィンザー公。彼が好んで着用したことから「ウィンザーカラー」とも呼ばれます。
ウィンザー公はワイドカラーのワイシャツ以外にもダブルモンクストラップの靴やグレンチェックのスーツ、当時はタブーとされていたスウェードの靴をスーツに合わせるスタイルなど、他の人が思いつかないようなファッションをしていました。彼が生み出したスタイルが多くあることから、ウィンザー公のファッションでの功績はとても大きいとされています。
話が少し逸れてしまいましたが、ワイドカラーのワイシャツは襟の開きが大きいため、ネクタイの結び目(ノット)がよく見えます。そのため、結び目が大きくなるウィンザーノットなどの結び方がおすすめです。
ウィンザーノットもウィンザー公が好んで結んでいたことからこう呼ばれるようになったと言われています。
ビジネスシーンはもちろん、フォーマルさが求められる冠婚葬祭など、シーンを選ばず着用していただけます。
 

ボタンダウン

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ボタンダウンは襟羽の先にボタンホールがついており、身頃についたボタンを留める仕様のワイシャツを指します。
ボタンダウンの誕生はアメリカの紳士服ブランド「ブルックス・ブラザーズ」の創業者の孫にあたるジョン・ブルックスが1896年に英国でポロ競技を観戦したのがきっかけとされています。選手の着用しているシャツの襟先がプレイの邪魔にならないように留められているのをヒントに、1900年頃にブルックス・ブラザーズが「ポロ・カラー・シャツ」の販売を始めました。これがボタンダウンシャツのはじまりです。ボタンを「留める」という意味で「ダウン」という言葉が使われ、そのうち「ボタンダウン」と呼ばれるようになりました。
瞬く間にアメリカ国内の「アイビールック」を好む学生らの間で流行し、それがヨーロッパや日本でも流行しました。今やボタンダウンはワイシャツの中でも定番の襟型として扱われています。
しかしスポーツ競技をきっかけに生まれたワイシャツのため、やはりカジュアルな立ち位置となるボタンダウン取引先との商談や社内でも目上の存在の方との会議などのビジネスシーンでは、ボタンダウンにネクタイは避けるのが無難です。
ノーネクタイでのビジカジスタイルやクールビズで着用するのがおすすめです。
 

<カッタウェイ(ホリゾンタルカラー)>

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「カッタウェイ」は襟羽の開きが180度からそれ以上のワイシャツを指します。別名ホリゾンタルカラーとも呼びます。
カッタウェイとホリゾンタルカラーは「カッタウェイ=襟羽開きが180度以上のもの」、「ホリゾンタルカラー=襟羽開きが180度のもの」と区別している場合もありますが、当店では同じものとして扱っています。
カッタウェイシャツは元々フォーマルなスタイルから派生したワイシャツです。そのため、太幅のワイドネクタイで作る大きめの結び目(ノット)が一番バランスよく見えます。襟の開きの角度が大きいため、ビジネスシーンで主流のレギュラーネクタイではネクタイの結び目が小さく見えてどうしても不格好になってしまいます。
そのため、ビジネスシーンでカッタウェイシャツを着用する時はノーネクタイをおすすめしています。第1ボタンを外しても、襟が最初から大きく開いているため、だらしなくならず立体的なVゾーンを演出してくれます。すっきり爽やかに見せたいクールビズシーズンにおすすめです。
 

3.用途別での襟型の選び方

3-1.ビジネスではどう着る?

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「レギュラーカラー」「ワイドカラー」はタイドアップ(ネクタイあり)、「ボタンダウン」「カッタウェイ(ホリゾンタルカラー)」はノーネクタイをおすすめしています。
レギュラーカラーを選ぶのが間違いなく、基本中の基本です。
商談やプレゼンの場などでは、レギュラーカラーかワイドカラーを着用してネクタイを結ぶスタイルだと失敗しません。ネクタイの結び方はレギュラーカラーならプレーンノットで、ワイドカラーならセミウィンザーノットで結ぶのがおすすめです。
ノーネクタイのシーンと言えば、最近ではクールビズですね。クールビズではノーネクタイでもだらしなく見えない襟立ちのいいシャツを選ぶのが基本です。レギュラーカラーはタイドアップが基本スタイルのため、クールビズにはおすすめできません。第1ボタンを外しても襟がへたらないボタンダウンやカッタウェイをおすすめします。
 

3-2.体型別で合う襟型

最近お腹が出てきて気になる、やせているからスーツが似合わない、など体型に対するコンプレックスは人によって様々です。
スーツのVゾーンからほんの少ししか見えない襟、そのほんの少しでもその人の体型に合った襟型は存在します。合っていない襟型を選べば、コンプレックスを強調させてしまう原因にもなります。
自分の体型に合った襟型を選びましょう。
 
<ぽっちゃり体型>

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ぽっちゃり体型が気になる方は「ワイドカラー」と「ボタンダウン」をおすすめします。
襟羽の開きが小さいものだと体のボリュームが強調されてしまうため、タイドアップする時はできるだけ襟も大きめの「ワイドカラー」を選びましょう。
ノーネクタイの時は襟羽の長さが長めの「ボタンダウン」がおすすめです。襟羽の長さが長いことで第1ボタンを外した時に襟元にすきまができてすっきりと見せることができます。
どちらのシャツを選ぶ時も襟台の高さが高いものは避け、首が見えるものを選びましょう。
 
<やせ型>

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やせ型でスーツを着ても貧相に見えてしまうという方は「レギュラーカラー」と「ボタンダウン」がおすすめです。
この時に襟が大きめのものを選ぶと貧相さが目立ってしまうので、小さめの襟を選びましょう。合わせるネクタイも太幅のものだとネクタイだけが目立ってバランスが悪くなってしまうので、ナロータイ*1やレギュラータイ*2がおすすめです。
首の細さが気になる方は襟台にボタンが2つ並んだドゥエボットーニやボタンが3つ並んだトレボットーニを選ぶと首の細さがカバーできます。

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<がっちり型>

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学生時代にスポーツなどをやっていて、筋肉質ながっちり型の方には「ワイドカラー」「ボタンダウン」「カッタウェイ」がおすすめです。
ワイドカラーを選ぶときは襟羽開きの角度が大きめで、襟の大きさも大きいものを選ぶとバランスよく見えます。この時に襟台にボタンが2つ並んでいるドゥエボットーニを選ぶのは危険です。襟台の高さは首が見えるものを選びましょう。
ノーネクタイ時はボタンダウン、カッタウェイどちらもおすすめです。ボタンダウンを選ぶときは襟羽の長さが長めのものを選ぶといいでしょう。カッタウェイも首回りがすっきり見えておすすめです。
 

3-3.スーツ別で選ぶ襟型

スーツの種類というと、ブリティッシュ(英国)スタイルやイタリアスタイル、アメリカスタイルの3つが代表的です。細かい違いはたくさんありますが、大きな違いは以下のような点です。
  • ブリティッシュスタイル……ショルダー(肩)部分にパットがしっかり入っていてカッチリした印象。Vゾーンも浅く、ウエストシェイプ位置は高め。
  • イタリアスタイル……ショルダー部分は丸くなだらか。Vゾーンは深めでウエストシェイプ位置は低め。
  • アメリカスタイル……段返り3つボタンが主流。ショルダー部分は丸くなだらか。しぼりのないウエスト。
日本のスーツはメーカーやブランドによっても違いがあり、また日本人の体型や気候に合わせてシルエットなども変えられています。しかし、スーツの基本は英国調です。日本で販売されているスーツのシルエットはブリティッシュスタイルを踏襲したものが主流です。
カッチリとした印象になるブリティッシュスタイルのスーツには、ワイドカラーのシャツに、ネクタイを大きめの結び目で結ぶのが最適です。
イタリアスタイルのスーツはブリティッシュスタイルより少しラフな印象になります。合わせるシャツもカッタウェイなどの襟羽の開きが大きいタイプがよく合います。ネクタイを着用する時はタブカラー((左右の襟羽の裏に小さなつまみ紐がついたワイシャツ。ネクタイの結び目が立体的に持ち上がる仕様になっているやピンホールカラー((左右の襟先に開けた穴にピンを通したワイシャツ。タブカラーと同じく、ネクタイの結び目が立体的に持ち上がる仕様になっているなどの一癖ある襟型がおすすめです。
アメリカスタイルのスーツはシルエットがボックス(箱型、寸胴型)に近く、ブリティッシュスタイルやイタリアスタイルのスーツに比べるとカジュアルな雰囲気になります。そんなアメリカスタイルのスーツには、同じくアメリカ生まれのボタンダウンがおすすめです。アイビースタイルと呼ばれるアメリカントラッドなコーディネートにはぴったりです。
レギュラーカラーのワイシャツは定番な襟型なこともあり、スーツを選ばず着用できるオールマイティな襟型です。
 
今回のコラムでは「レギュラーカラー」「ワイドカラー」「ボタンダウン」「カッタウェイ」の4種の襟型についてご紹介しました。もちろん、世の中にはこの他にも多くの襟型がありますが、どこの紳士服店でも販売されているような代表的な4種を選びました。
今まで襟型についてなんて気にしていなかったという方も、ずっと同じ襟型ばかり選んでいたという方も、これを機にシーンやご自分のスタイルに合った襟型を選んでみませんか?

*1:剣先幅が6~7cmの細めのネクタイ

*2:剣先幅が7~8cmの一般的な太さのネクタイ

シーン別!ワイシャツの襟型の選び方

ワイシャツ 襟型 衿型 シーン別

ワイシャツ

ワイシャツを選ぶとき、どんな襟(襟型)がいいか迷うことありませんか?
普段からワイシャツを着ない方はあまりご存知でないかと思います。

こういう襟はこういうシーンにはダメ!など
ワイシャツの常識というか、暗黙の了解のようなものがあります。

シーンに合わせて最適なワイシャツ選びをしてください。
裏でこっそり「あのワイシャツは良くない…」と言われたりしないように
キチンと選んで正しく着こなしましょう。

 

 

レギュラーカラー

レギュラーカラー ワイシャツ

レギュラーカラー

名前の通り、基本的にはこれさえ着ていれば間違いはない!といったド定番な襟型です。
若い方も年配の方も問題なく着れる万人受けするものですね。

面接や結婚式のワイシャツなど、レギュラーカラーの真っ白なワイシャツを選ぶのが正解です。
1枚は抑えておきたいですね!

 

ワイドカラー

ワイドカラー ワイシャツ

ワイドカラー

レギュラーカラーよりも少しだけ襟が開いていて顔周りをスッキリ見せてくれる効果があります。
昨今のトレンドで言えばレギュラーカラーよりも多くなっています。

よくスーツを着るビジネスマンにオススメですね。
おしゃれなネクタイと合わせて小慣れ感を演出するとさらにgood♪
とても人気な襟型となっています。

 

ボタンダウン

ボタンダウン ワイシャツ

ボタンダウン



襟の先をボタンで留めるため、ネクタイをしなくても襟立ちがよくカッコよく決まります。
もともとはヨーロッパのポロというスポーツで着られていたため、どちらかというとカジュアルなものとされています。
ネクタイを外し、ジャケットを脱いだ後も1枚でカッコいいスタイルをキープできるのは魅力ですね^^

最近ではビジネスの場や結婚式等のフォーマルの場でも着ている方をよくお見掛けしますが、本来はNGだったようですね。
基本的にはノータイで着るものですが、オシャレにネクタイを付けて着こなしている方もたくさんいらっしゃいます。
こちらもワイドカラー同様に大変人気の襟型ですね。

 

ホリゾンタルカラー カッタウェイ(カッタウェー)

 

カッタウェイ ワイシャツ

カッタウェイ

ワイドよりさらに少し襟が開いていて、よりスッキリとした印象を与えます。

ジャケットとの相性もよく、ノータイでさらっと着こなすのがカッコいいと思います。
白、ホワイトカラーのモノもありますが、こちらを選ぶならストライプやカラーが入ったシャツがオススメですね☆

細身のネクタイだと本来は襟に隠れる周回している部分が見えてしまうので、ネクタイをするなら太目のモノを選ぶのが◎

 

ドゥエボットーニ

ドュエボットーニ ワイシャツ

ドュエボットーニ


画像の通り、ボタンダウンの首元のボタンが2つあるバージョンです。
ドレッシーに着こなす方にオススメ。

若い方が着るというより、熟成された素敵な大人な男性が着ると様になるかと思います。
若すぎると背伸びした感が出てしまうかも…。

こちらももちろん白 ホワイトはありますが、個人的にはネイビーやブラックのカラーを選ぶと渋いかなと思います。

 

トレボットーニ

トレボットーニ ワイシャツ

トレボットーニ

ドゥエボットーニにさらにもうひとつボタンを追加したのがこのトレボットーニ!
襟が高くシュッとした印象になります。

こちらもドレッシーに着こなすのがオススメ。
ドゥエボットーニ同様に若い方が着るというより、熟成された素敵な大人な男性が着ると様になるかと思います。
若すぎると背伸びした感が出てしまうかも…。



こちらももちろん白 ホワイトはありますが、個人的にはネイビーやブラックのカラーを選ぶと渋いかなと思います。

 

ウイングカラー (ウィングカラー)

ウイングカラー ワイシャツ

ウイングカラー

タキシードや燕尾服、結婚式等のフォーマルなシーンで着用される襟型です。
蝶ネクタイやアスコットタイが映える素敵な襟型ですね。

ここぞという時に着るモノなので普段使いには向いていないですが
ビシッとキメる時にはコレですね☆

白 ホワイトが定番ですが、黒 ブラックやデニム調のモノもあります。
カジュアルウェディングのシーンではデニム調のモノを着ているのもよく見かけますね。

最近のインスタ映え等の文化と古き良き文化の融合って感じがして、素敵です☆

 

イタリアンカラ

イタリアン ワイシャツ

イタリアンカラ

はだけた感を演出できるお洒落な襟型。
イタリアンカラーという名前がもうすでにお洒落感がありますからね(笑)

下着を着ずに着るとイタリアおやじ感のようなそんな素敵な雰囲気を出すことができます。
デニムとの相性もよさそうですね!

 

ピンホールカラー

ワイシャツ ピンホールカラー

ピンホールカラー

金属の細いバーを襟に通してネクタイを立体的に見せることができます。
細身のネクタイと合わせると超カッコいいので個人的にオススメです。

細身のスーツに細身のネクタイ、細身の体型の方このスタイルをするとすごく絵になります。
ドレッシーな場で是非ためしてみてください♪

 

まとめ


まだまだ多く襟型はありますが、取り急ぎメジャーなところをまとめました。

最近は寛容になっているとはいえ、面接や結婚式でボタンダウンのワイシャツを着用!というのは避けたいですね。
見られる方が寛容な方とは限らないからできるだけシーンにあった服装を心掛けたいものです。

画像からオススメ&お安いワイシャツに飛べるのでぜひぜひチェックしてみてください☆